Lieben Duft 事の始まりはTDF基地内を歩いていた時偶然ライに声をかけられたこと。 「イングラム!」 呼ばれて振り返ると、先日紹介されたばかりの作戦参謀次官だった。 「ライディース参謀次官…何か用か?」 「すまないが今から科学特捜隊基地まで行ってきてもらえないか? いん石怪獣Dの最新の資料を受け取ってきてほしいんだが…」 少し考えた後、イングラムはそれを承諾した。 「わかった。行ってこよう」 そして科学特捜隊基地で。 「ああ…その資料ならユーゼス研究員が持って行きました。この時間なら五階の実験室にいるんじゃないですか?」 近くにいた整備員に尋ねるとそんな答えが返ってきた。 「ユーゼス…わかった」 礼を言い五階に向かう。 (ユーゼス…ゴッツォ) 自分が未来から来たと唯一知る者。 初対面どことなく苦手な相手だった。そして油断ならないと感じた男。 最初に科学特捜隊基地(ここ)に行ってくれとライに頼まれた時点で、できれば会いたくないと思っていて、実は少し考えたのもその可能性が否定できなかったからであった。 しかし当の本人がその資料を所持しているというのなら仕方がない。 …あまり気は進まないが。 そんなことを思いながらエレベータのボタンを押したのだが。 「……?」 いくら待っても一向に扉が開く気配がない。 しばらくイライラしながら立っていたが、どうしようもなくなって通りかかった一般隊員を捕まえて尋ねた。 「あぁ、そこのエレベータなら昨日から故障してますよ。何でも基地内の電気系統制御装置の調子がこのところ悪いらしいです」 それではいくら待っても来るはずがない。 「…すまない」 (全く…ついていない) そして階段は延々と続く。 体力には自信があると思っていたが、このところ机相手の雑務に追われていてどうやら体が鈍っていたらしい。四階に着く頃には額にうっすら汗をかいていた。 さて、ここで質問。 実験室に着いたイングラム。室内にユーゼスはいたと思う? →Yes. or →No. |